カブトムシは虫の王様!採集法やステージ別の育て方とは?

カブトムシってどんな昆虫?

アイキャッチ画像出典:写真AC

カブトムシの基本情報

誰もが知っているカブトムシですが、分類や生態などはご存知でしょうか?「カブトムシ」と呼ばれる昆虫についての基本情報についてまずはご紹介します。

分類

カブトムシとは

出典:写真AC

カブトムシの仲間とは一般的にコウチュウ目コガネムシ科カブトムシ亜科に属する昆虫のことを指します。私たちも馴染みの深い標準和名カブトムシはカブトムシ亜科の真性カブトムシ族というグループに属します。カブトムシ亜科には他にもサイカブト族やヒナカブト族などがありますが、カブトムシやヘラクレスオオカブトなど多くの種は真性カブトムシ族に含まれます。カブトムシの仲間は日本国内では外来種や亜種を含め6~7種ほど、世界全体では1000種以上もの種類がいるとされています。

分布

カブトムシの分布

出典:写真AC

カブトムシの仲間は世界中の熱帯域に主に分布していますが、和名カブトムシは温帯域にも分布し、日本全土から台湾、中国、朝鮮半島、インドシナ半島など東アジア域に広く生息しています。北海道には本来自然分布していませんでしたが、人為的に持ち込まれ、現在では北海道全域に定着しています。

生態

カブトムシの生態

出典:写真AC

カブトムシの成虫は基本的に夜行性の為、日中は木陰や落ち葉の下などでじっとしていますが、夕暮れ以降の時間帯にエサである樹液を求めて動き回ります。また、カブトムシの幼虫は地中で生活しており、主に周囲の腐葉土などを食べて成長します。カブトムシは餌場争いをすることで知られ、餌場にいる他の昆虫たちをその長い角で追い払うことがあります。

形態的特徴

カブトムシの形態

出典:写真AC

カブトムシの一番の特徴といえば、大きく伸びた角でしょう。この角はオスだけがもつものであり、カブトムシのメスには角はなく、コガネムシの仲間のクロコガネという種とよく似ています。見分け方としては、クロコガネには前翅に数本の筋があるのに対し、カブトムシの前翅には筋がないことで見分けることができます。また大きさも異なり、クロコガネが20㎜程度なのに対し、カブトムシのメスは30~50㎜ほどにまで成長します。

カブトムシの種類

数多くいるカブトムシの仲間について、有名なものをいくつか簡単に紹介します。

カブトムシ

皆さんお馴染みのカブトムシです。4つ又に分かれた頭部の大きな角と2又に分かれた胸部の角が特徴的です。前述のとおり日本全域に広く生息し、森や林の中のほか、意外と街中の公園にもいたりします。沖縄本島に生息するオキナワカブトや久米島に生息するクメジマカブトなどの亜種がいます。

ヘラクレスオオカブト

真性カブトムシ族ヘラクレスオオカブト属に属します。いわずと知れた世界最大のカブトムシで、全長180㎜ほどにまで成長します。黄土色の前翅と、長く伸びた2本の大きな角が特徴です。中南米の熱帯雨林に生息する外国産の種ですが、通販やショップでも取り扱いがあり、5~10万円程の相場となっています。

アトラスオオカブト

真性カブトムシ族アトラスオオカブト属に属します。長く伸びた3本の角が特徴的な大型種で、最大100㎜ほどになります。生息地は東南アジアの熱帯林域です。専門ショップやホームセンターなどでも売られており、比較的容易に入手できますが、オスは非常に気性が荒く複数飼いにはあまり向きません。

コーカサスオオカブト

真性カブトムシ族アトラスオオカブト属に属し、東南アジアの熱帯林に生息している種です。アトラスオオカブトの亜種であり形態が非常に似ていますが、頭角の中央部付近に突起があることで区別できます(アトラスオオカブトには突起がない)。体長120㎜ほどのになる、アジア最大の種です。

ネプチューンオオカブト

真性カブトムシ族ヘラクレスオオカブト属に属する種で、南米の高地に生息します。同属のヘラクレスオオカブトによく似た外見であり、150㎜ほどの大きさに成長します。高地に生息するため他種よりも高温に弱く、飼育する場合は温度管理が重要になります。

グラントシロカブト

真性カブトムシ族ヘラクレスオオカブト属に属し、北米大陸の砂漠地帯に生息しています。体長は70㎜程度と同属他種と比べて比較的小さいものの、アメリカ産のカブトムシとしては最大種になります。シロカブトの名の通り、白色~灰色の綺麗な体色が特徴的な種です。

エレファスゾウカブト

真性カブトムシ族ゾウカブト属に属する種です。主に中南米に生息し、全身に黄褐色の細かい毛が生えているのが特徴です。世界最長のカブトムシであるヘラクレスオオカブトに対し、本種は世界最重量のカブトムシであり、成虫で50g、さらには幼虫期には150gもの重さがあります。

カブトムシの採集法

カブトムシを採集する際のポイントについて述べていきます。

採集する時期・場所

カブトムシを採集する時期は7~8月頃で、カブトムシは夜行性のため時間帯は夜間が確実です。探すポイントとしては、あまり標高の高くない山中や雑木林などが基本ですが、木の量が多い公園や田舎道など意外と身近な場所でも出会えることがあります。腐葉土や朽木など、カブトムシの幼虫が育つのに適した環境があればよりベストです。

必要な道具

カブトムシの採集に必要な道具は、定番の虫かご、虫網の他、主に夜に採集を行うため、ライトは必須となります。カブトムシが複数匹捕獲できたときに、カブトムシ同士がケンカしてしまわないよう、仕切り付きのパーツケースなどもあると便利でしょう。また、カブトムシの採集にはスズメバチやムカデ、ダニ、ヘビなど危険生物の存在がつきものです。長袖・長ズボンや帽子、長靴、タオル(首に巻く)などなるべく肌の露出が少ない服装を心がけましょう。ハチに襲われないよう、黒系の色は避け、白っぽい服装を選ぶのも重要です。

コツ

カブトムシの主なエサは樹液ですが、どんな木でも良いわけではなくカブトムシの好む木というものがあります。代表的なものは、クヌギ、コナラ、カシ、ミズナラ、ヤナギ、ハルニレなどでこれらの木ではカブトムシに出会える確率がぐんと上がります。また、カブトムシは日中は土の中などに潜んでいるため、木の根元などに穴があれば周辺にカブトムシがいる可能性が高いです。

カブトムシ(卵~幼虫期)の飼育法

カブトムシの幼虫

出典:写真AC

カブトムシの卵の孵化から幼虫期の飼育法について解説します。

飼育用品

カブトムシの卵~幼虫期は土の中でずっと過ごしているため、飼育には飼育ケースと土があれば成立します。飼育ケースは普通の虫かごタイプのものの他、プラスチック製のボトルやコンテナボックスなどでも使えます。土に関しては、野外の土を採取しても良いですが、自然の土には様々な雑菌や他生物の卵などが混ざっている可能性があります。幼虫のエサとなる腐葉土を調達するのも難しいため、カブトムシの卵~幼虫期の飼育には昆虫マットと呼ばれる用品を使うのが一般的です。

飼育法

カブトムシの卵~幼虫期の飼育では、マットが乾燥しないように定期的に霧吹きなどで水分を含ませる必要があります。あまり濡らしすぎるとマットが腐る原因になるので、手でつかんだ時に軽くまとまる程度に湿らせましょう。幼虫のエサについては、マットがエサの役割も果たすため、特に何かをを与える必要はありません。また、幼虫はエサを食べると当然糞をしますので、マットの中に幼虫の糞が目立つようになってきたらマットを交換してあげましょう。

カブトムシ(蛹期)の飼育法

カブトムシの蛹

出典:写真AC

カブトムシの幼虫はある程度のサイズまで成長すると蛹になり、成虫へと羽化する準備を始めます。

飼育用品

カブトムシはマットの中に蛹室(ようしつ)という部屋を作りその中で蛹になります。蛹期の飼育用品については基本的に幼虫期と同じですが、マット交換時に蛹室を壊してしまったり、カブトムシが蛹室を作らずに蛹になってしまった時などは人工蛹室を用意してあげましょう。人工蛹室は市販品のほか、トイレットペーパーの芯やスポンジなどで自作もできます。

飼育法

カブトムシはマットの中で蛹になるため、卵~幼虫期と同様マットの乾燥には気をつけましょう。また、蛹は非常に柔らかくデリケートなので、多少の衝撃でも羽化しなくなってしまうことがあります。むやみに蛹を手に取ったり、ケースを揺らしたりしないようにしましょう。

カブトムシ(成虫期)の飼育法

カブトムシの成虫

出典:写真AC

カブトムシは蛹になってから大体1か月ほどで羽化し、マットから出てきます。

飼育用品

幼虫期にはマットを食べていたのでエサは用意しなくても問題ありませんが、カブトムシの成虫の主食は木の樹液です。とはいえ樹液を調達するのは難しいので、飼育下では市販の昆虫ゼリーを与えるのが一般的です。また、カブトムシはひっくり返ると自力では起き上がれず、そのまま死んでしまうこともあるので、止まり木や落ち葉など足をかけられるものを置いてあげると良いでしょう。

飼育法

カブトムシの成虫期では、幼虫期と違い基本的にはマットの交換をする必要はありませんが、ダニなどの害虫類が発生してしまった時や、排泄物等の汚れが気になった時には交換してあげましょう。また、エサについては昆虫ゼリーのほかリンゴやバナナなどの果物類も可ですが、スイカやメロン、キュウリなどの水分量が多く栄養価が低いものはあまり適していません。

カブトムシの産卵(繁殖)

カブトムシの繁殖

出典:写真AC

飼育下におけるカブトムシの産卵(繁殖)方法は特に難しくなく、同じケースでオスとメスのペアを飼育していると自然と交尾・産卵をします。しかし産み落とされた卵をそのままにしておくと、成虫が土に潜った時などに傷がついてしまい死んでしまうので、できる限り交尾後はメスを別ケースに移して産卵させると良いです。産卵を確認したらメスはまた元のケースに戻しましょう。また、産卵前のメスはヨーグルトやバナナなどの高栄養価のものを与えると良いでしょう。

カブトムシの採集や飼育に挑戦!

カブトムシを採集しよう

出典:写真AC

カブトムシは虫の王様とも呼ばれ、男の子の憧れともいえる存在です。採集から飼育、繁殖まで比較的難易度が低く、見た目も格好良いため、初心者にもおすすめしやすい虫です。また種類や飼育法も多岐にわたり、多くのカブトムシ愛好家がいるほど奥の深い世界でもあります。ぜひ一度カブトムシの採集や飼育にチャレンジして、虫好きの一歩を踏み出しましょう!