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標本箱とは

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昆虫を綺麗な状態で保存しておく際、一般的には標本を作ります。標本は専用の箱に入れますが、その箱のことを標本箱と言います。標本箱は標本を保管・観察するのに適した作りとなっているのが特徴で、博物館や大学などの研究施設でも標本は標本箱に入れて保管してあります。様々な生き物で標本というのは作製されていますが、標本箱というと主に昆虫の標本を収納する容器を指します。
標本箱の種類と選び方
標本箱には様々な種類がありますが、どんな点に注目して選ぶと良いのでしょうか。まずは、標本箱の選び方を種類を踏まえつつ、ご紹介します。
素材・材質
安価かお手軽な紙製標本箱
価格も安く、最もお手軽なのが紙製(ボール製)標本箱です。価格も1000円〜あり、持ち運びもとても楽なのが嬉しいポイントです。ただし、紙製であるため、湿気などの水分には弱いという弱点もあります。長期保存するには、湿気対策が必須です。学校での夏休みの課題や初めての標本作製にはおすすめですよ。
丈夫でコスパ良しのプラスチック製標本箱
シーラ箱という商品が代表的なプラスチック製標本箱は、紙製標本箱よりも丈夫でコストパフォーマンスに優れています。シーラ箱を例にとると、枠がプラスチックで天板はガラス製でできており、非常に丈夫です。その上、価格も紙製よりも少し根が張る程度なので、お買い得な標本箱と言えます。
両面ガラス製標本箱はじっくり観察するのに最適
天板だけではなく、底面もガラス製になった両面ガラス標本箱というタイプもあります。昆虫の足や腹の構造など、背中側からだけではなく腹側からも観察したいという方も多いはず。じっくりと観察してスケッチをとったりするには両面ガラス製標本箱を選びましょう。ただし、ガラスの破損には注意が必要です。また、価格もやや高価にはなってしまいます。
桐製標本箱は抗菌・防虫効果もあり、長期保存も◎
桐製標本箱は抗菌効果や防虫効果に加え、調湿作用にも優れているため、長期で標本を綺麗に保存することができます。また、桐製標本箱は見た目の美しさもあり、鑑賞価値も高いのも特徴です。桐製標本箱は印籠タイプの蓋となっていて、ぴったりと箱と蓋がハマってスッキリしているのもいいですね。
ドイツ型(ホオ製)標本箱はワンランク上の品質
大学の研究や博物館の展示などでも使用されている本格的な標本箱がドイツ型(ホオ製)標本箱です。バードウイングというブランドが有名で、見た目も高級感があり密閉性も高く、長期保存にも適しています。価格は標本箱の中では最も高価な部類に入りますが、一生の宝物である昆虫標本を何十年も大切に保管したいという方にはもってこいの標本箱になります。
標本のサイズ・数
小さな蟻から大型のカブトムシ・クワガタまで、昆虫標本といってもサイズには大きな差があります。また、標本箱に収めたい数も1匹なのか複数匹なのかで用意すべき標本箱の種類が変わってきます。まずは、標本箱の縦・横のサイズをしっかりと確認し、保管したい標本が綺麗に収まるかあらかじめ調べておきましょう。標本の採集前であれば、昆虫図鑑などでおおよそのサイズをチェックしておくことをおすすめします。
また、標本箱の深さにも注目しましょう。ツノが体の背中方向に発達している昆虫や、体が丸い昆虫などは、浅すぎる標本箱だと蓋を閉めることができない場合があります。体の厚みも事前に確認しておきましょう。
標本箱おすすめ8選
市販されているおすすめの標本箱をご紹介します。
初めての標本作りには標本作製キットがおすすめ
昆虫標本作りが全くの初めてという方には作製するための道具がセットになった作製キットがおすすめです。
フジコン 標本LABO かんたん昆虫標本セット(1~2匹用)
標本作成セット(特々大型標本箱付き)
紙製の標本箱
志賀昆虫(シガコン) ボール紙製標本箱
プラスチック製の標本箱
標本箱シーラ箱
桐製の標本箱
桐製標本箱 小、ガラス蓋付昆虫標本箱
特大型 志賀昆虫 インロー硝子蓋式標本箱
ドイツ製(ホオ製)の標本箱
バードウィング製 ドイツ型標本箱
両面ガラス製の標本箱
シーラ箱 (両面ガラスタイプ)
標本箱には防虫剤がベスト
標本箱は一見すると密閉されているので、標本が虫に食べられることなんてないだろうと思われる方が多いと思いますが、それは大きな間違いです。実は、標本箱の蓋をしっかりとしてたと思っていても、カツオブシムシやチャタテムシ、シバンムシといった様々な虫が標本を食べてしまいます。標本箱内部での虫害を防ぐためには、ドイツ製標本箱のような密閉製の高い標本箱を選ぶことに比べ、防虫剤を標本箱の中に入れる必要があります。ただし、防虫剤は入れすぎると、中で結晶化してしまう場合もありますので、適正量の使用を心がけましょう。
標本箱で昆虫をじっくりと観察してみよう

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標本箱で昆虫標本を正しく保存・管理すれば、半永久的に綺麗な状態を保つことができます。昆虫標本を作製する目的は人それぞれだと思いますが、せっかく作る昆虫標本ですので、標本箱で大切に保管してあげてください。標本箱には色々な種類がありますが、今回の記事を参考にしていただければ、きっとあなたにあった最適な標本箱が見つかるはずです。